昼食はカップラーメンとビスケットですました。あらかじめテルモスに熱湯を入れてきているので注ぐだけだ。20年も前に金剛山に登るときにタイガーマホービンと山用に売られているテルモスの性能を比べたことがある。5時に沸騰させたお湯を両方に入れ、金剛山の頂上で早めの昼食11時にしたとき、タイガーは87度、山用の中国製は78度だった。40年も前はアラジンの魔法瓶を持って行った。まだステンレスのテルモスが改良されていないときだった。でもアラジンのはよく壊れた。タイガー・象印の難点は重い。
10分で昼食を済まし、御殿山にかけて登る。時計を見ると1時50分だ。あと30分足らずで御殿山に着くだろう。しかしそこからくだって4時までに坊村のバス停まで降りれるだろうか迷った。私が手配した乗合タクシーでないので遅れることは許されない。御殿山は断念した。下りはかなりハイペースで降りた。足の疲労感は全くない。他の登山者に追い越されることもほとんどなく、明王院まで一気に降りた。3時5分前にバス停についた。着いて思ったことは御殿山まで登っていたらよかったのにと少し後悔した。
明王院の入り口でアイゼンを外していると白装束の巡礼さんが寒そうに10人ほど手に数珠を持って山門に入って行った。老若の女性ばかりだ。こんな寒い時に巡礼などしなくてもと思っていた時だった。白髪の女性が私に声をかけてきた。「山に登ったのですか」「そうです」と答えると、「お年なのに大変でしたでしょう」とそこで「あなたこそ巡礼姿で寒いでしょう」と言うと「お年は」と言うので「77になります」と言うと
「私いくつに見えます」と言うので「私と同じくらいか年上かも」と言うと「あらそう見えますか私70です」と言う。本当かな?娘さんのような人に腰を支えられて歩いているのでついそう言ってしまったが、でも顔は若かった。悪いこと言ったなと思う。明王院の社務所に立ち寄る。おばちゃんが出てきたのでこのお寺は何が売り物か聞くと「護法尊」ですという。それってなんですかと聞くと泥棒除けというので、珍しいと思った。今までそのようなご利益を持つお寺はなかった。お守りとお札を2枚買った。