民族学博物館の企画展「焼畑 佐々木高明の見た五木村 そして世界へ」は3月10日から6月7日までの開催である。先生は「稲作以前」に於いて日本の農耕の起源を縄文時代とした画期的な研究で知られる。本を書かれた当初は弥生時代から農耕が始まったという定説に反するとしてかなりの学者から袋叩きにされたらしい。しかし東北や関東の縄文時代の遺跡の中の土器からもみや芋・豆などの痕跡が発見されるにつれて焼畑農業が弥生時代より前になされていた。という事実が積み上げられて今では稲作以前から原始的な焼畑の農業が営まれていたというのが明らかになった。
佐々木高明は九州の五木村に入り綿密な調査を行っている。焼畑農業が営まれている地域の規模、焼畑を行うにあたって森林、原野の草木の伐採のやり方、特に木下ろしのしかた、木渡りは九州にあって四国にはない、それに伴う儀式、虫追いの行事、伐採後の土地の耕作、数種類の作物を作るその順序、それぞれの段階で使われる道具類の展示、収穫された作物の展示などだ。
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