午後8時消灯と聞いていたが9時だった。風呂があるからだろう。私の隣は20代の会社員、その隣は定年退職した人だった。その人は若い時に佐川急便に勤めていたという。いろいろ面白い話をしてくれた。佐川に勤めていた時に他の運送会社の荷物を佐川にするという強引なこともやったという。その手口は他社の伝票が付いている荷物を見てそれの配達先を自社の伝票に書き、他社の運転手が来る前に荷物を自分の車に乗せるという方法だ。集荷数のノルマがあって達成でkない人も多い中彼はいつも成績上位でいたという。もう時効だから話すのだけどと、給料は当時で50万円もあったそうである。次に山登りの話になった。私だけ鳳凰三山に行き、あとの方は北岳を目指した。私が薬師小屋から元来た道を戻ろうと考えているというと、勿体無い夜叉神に降りるのが良いという。しかし距離が長いのではというと、上りはほとんどなく下りばっかしで早く着くというので、それもアリかと思った。
9月 10日朝4時40分起床 ゆっくり朝食クラッカーとハム・ポタージュスープを飲む、しっかり大便をして5時40分広河原山荘を出発 白凰峠への看板があるところから少し行ったところで梯子のようなところから落ちてしまった。木が腐っていたのか、滑ったのかわからない。梯子に右足をかけた時にが折れたように思う。体は一回転して右手首を下に地面に叩きつけられた。右手がうーんというほど非常に痛かった。7時40分小休止、8時40 分大休止長袖を脱ぐ55分出発 途中梯子多数あり、想像以上のアルバイトだ、10時小休止下山者2名 うち一人が道が不鮮明で樹海のようなところに迷って1時間もロスしたという。へーそんなこともあるのかと聞き流す。ところが10時30分道がわからなくなる。目の前は樹海だ。ここを北へ向かって突破したら白凰峠だろうと試みるもなお樹海にハマる。背の高いハイマツの樹海は地面に降り立つと全く視界がきかない。木の枝を跨ぐようにして進む。右手の方に森のようなところがあるのでその方向に進路を変え、トラバースした。この間3回もおーいと大声を出したが反応はなかった。11時過ぎ峠であろう地点が見えた。それから北に向かって樹海を這い出すと目の前に白凰峠が現れた。11時15分白凰峠着